【速報】OpenAI、年間収益100億ドル突破 サブスク急伸で売上目標へ加速

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OpenAI、年間経常収益が100億ドル到達

対話型AI「ChatGPT」を開発・提供する米OpenAIは、2025年6月時点の年間経常収益(ARR)が100億ドルに達したと発表した。 ARRとは、月間などの継続収益を年換算した指標で、サブスクリプションビジネスにおける成長度合いを示す代表的な数値である。 前年末のARRは55億ドルだったため、わずか半年で約82%増という急成長を遂げたことになる。 この数値は、マイクロソフトとのライセンス収益や一時的な大口契約を含まない純粋な継続収益であり、OpenAIのサービス利用が広く浸透していることを示している。

売上目標127億ドルに向け順調な滑り出し

OpenAIは2025年通期の売上目標を127億ドルに設定しており、ARRの到達はこの目標に向けた大きなステップといえる。 競合であるAnthropicのARRが約30億ドルにとどまる中、OpenAIの市場での支配的地位が一層明確となった。 特にエンタープライズ向けGPTサービスやAPI提供が、収益急増の要因とされている。

OpenAIとはどんな会社か?

OpenAIは2015年に設立されたAI研究団体で、当初は非営利モデルを掲げていた。創業にはサム・アルトマン氏やイーロン・マスク氏などが名を連ねる。 2019年には持続可能な研究資金の確保を目的に「キャップ付き営利」モデルへ移行し、非営利母体と営利子会社の二層構造を採用。 2022年にはChatGPTが世界的ヒットとなり、2023年からはMicrosoftとの提携を通じて商業展開を本格化させた。 2024年後半にはARRが55億ドルに達し、2025年には100億ドルへと跳ね上がった。現在はAIデータセンター「Stargate」の建設構想や、ハードウェア製品開発、グローバルな経済支援活動にも取り組んでいる。

ARRとは? 企業価値を測る指標

ARR(Annual Recurring Revenue)は、サブスクリプション型ビジネスにおける安定的な年間収益を示す重要指標。 一時的な売上ではなく、継続的な契約・利用を前提に算出されるため、将来性や企業の持続力を示す尺度として投資家に重視される。 今回、OpenAIが提示した100億ドルのARRは、同社のサービスが広範囲に普及し、定期的な課金ユーザーが急増していることを如実に示している。

今後の展望と課題

急成長を遂げたOpenAIだが、2024年度には約50億ドルの赤字も報告されており、収益性の改善とガバナンス強化が次なる課題となる。 CEOサム・アルトマン氏はAIが「今後10年で米国経済に3兆ドルの生産性向上をもたらす」と語り、大規模なインフラ構想を掲げている。 一方で、AIの倫理性や市場支配への懸念も高まっており、規制と革新のバランスが注視されている。