【速報】マイクロン、米国内に300億ドル追加投資 先端メモリー製造能力を拡充へ

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マイクロン、米国内に大規模投資発表

米半導体大手マイクロン・テクノロジーは、米国内におけるメモリー製造能力の拡大に向けて、新たに300億ドル(約3.6兆円)を投じる計画を明らかにした。
これはアイダホ州ボイシにおける2つ目の先端メモリー工場の建設、およびバージニア州マナサスの既存施設拡張に充てられる。
ニュースサイトのロイターが12日に報じた。

本拠地アイダホに最新製造施設を建設

マイクロンは本社のあるアイダホ州ボイシに、最先端のメモリー製造工場(fab)を追加で建設する。
この工場では特に、AIや高性能コンピューティング(HPC)用途で需要が高まっているHBM(高帯域メモリー)の製造も視野に入れるとみられる。
また、既存施設との連携により、設計から製造、パッケージングまでを一貫して国内で実現する体制が整う。

マナサス工場の拡張で生産体制を強化

バージニア州マナサスにある工場では、パッケージング設備やクリーンルームの増設を通じて製造キャパシティを高める。
この拡張により、マイクロンは米国内でのメモリーチップのサプライチェーンを一層強化し、海外依存を減らすことを狙っている。

米半導体政策との連携が背景

今回の追加投資は、2022年に成立した「CHIPS and Science Act(チップス法)」の支援枠組みに沿ったものである。
この法律は、米国内の半導体産業復活を目的に、数十億ドル規模の補助金や税制優遇措置を通じて製造・研究開発を促進する。
マイクロンは、2022年以降すでに総額2000億ドル規模の国内投資計画を発表しており、今回の発表はその一環である。

補足:マイクロンの企業概要とメモリー市場の位置づけ

マイクロン・テクノロジーは1978年、アイダホ州ボイシで設立され、主にDRAMとNAND型フラッシュメモリに特化する米国唯一の大手メモリーメーカーである。
2013年には日本のエルピーダメモリを買収し、グローバル展開を強化。近年は高帯域メモリ(HBM)などの先端分野にも注力しており、AI時代の到来に合わせた設備投資が続いている。

DRAMはPCやスマートフォンなどの記憶装置として広く使われ、HBMはAIモデルの演算処理やHPCにおける高速データ転送を支える技術である。
これら先端技術を国内で製造・供給できる体制を築くことは、経済安全保障上も大きな意味を持つ。