【2025/4/23速報】百度、AIエージェント「心響」を発表 Android端末向けに提供開始

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中国百度、新たなAIエージェント「心響」提供開始

中国の検索大手百度(バイドゥ)は、2025年4月22日、AIエージェント「心響(しんきょう)」の提供を正式に開始した。
このAIは、従来のチャットボットよりも優れた性能を持ち、情報分析や旅行プランの作成といった日常タスクの効率化を目指して開発された。
現時点ではAndroid搭載スマートフォンのみに対応しており、iOS対応については現在検討中だ。

百度のAI開発の歩みと「心響」誕生の背景

百度は2010年代からAI技術への投資を強化しており、2013年には創業者の李彦宏氏が「All in AI」を掲げ、AI関連研究に本格参入。
その成果の一つが2023年に登場した大規模言語モデル「文心一言(ERNIE Bot)」である。
当初の評価は芳しくなかったが、その後、外部パートナーとの連携を進め、技術的な向上を図ってきた。
2025年にはDeepseekのR1モデルとの接続を実現し、AI技術の精度向上と応用拡大が進んでいる。
「心響」は、こうした進化の延長線上にあるAIエージェントであり、百度が再びAI競争の先頭に立とうとする意欲の表れだ。

「心響」の主な機能と利用価値

「心響」は、百度の大規模言語モデルに基づいて開発され、以下のような実用的な機能を備えている。
・情報分析:膨大なデータから有用な情報を抽出し、要約や可視化を実施。
・旅行計画:ユーザーの要望に応じて旅程を自動作成。
・タスク支援:スケジュール管理やリマインダーなど、生活に密着したサポート機能。
こうした機能により、「心響」は個人利用はもちろん、業務効率化を目指すビジネスシーンでも活用が期待されている。

今後の展望と百度のAI戦略

百度は「心響」提供により、AIエージェント市場への本格参入を果たした。
また、同社は2025年春から「文心一言」の完全無料化を実施し、AIの裾野拡大にも取り組んでいる。
iOS対応の「心響」の登場や、他サービスとの統合が進めば、その影響力はさらに拡大すると見られる。
百度のAI戦略は、今後の中国国内外におけるAI開発競争の行方を占う重要な指標となるだろう。