【2025/5/12速報】Perplexity AIが資金調達で評価額140億ドルへ急成長、検索市場に新たな波

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AIを活用した検索エンジンを展開する米新興企業「Perplexity AI(パープレキシティAI)」が、新たに5億ドルの資金調達を進めていることが報じられた。これにより、同社の評価額は140億ドル(約2.2兆円)に達する見込みで、検索市場における存在感を一層強めている。AI検索の革新者として、Googleの独占に挑むこの企業の動向が注目されている。

AI検索企業としての台頭

Perplexity AIは、2022年にサンフランシスコで設立されたスタートアップで、自然言語による質問にAIが回答し、出典を示す革新的な検索サービスを提供している。ChatGPTなどと同様の生成AI技術を基盤としつつ、検索分野に特化して差別化を図っている点が特徴だ。

無料版ではOpenAIのGPT-3.5を活用し、有料版「Perplexity Pro」ではGPT-4やAnthropicのClaude、MetaのLlama 3など最新の大規模言語モデル(LLM)が利用できる。これにより、単なるチャットボットではなく「出典付きの調査パートナー」として高く評価されている。

急成長する評価額と投資家

Perplexity AIは創業以来、急速に評価額を伸ばしてきた。2024年4月の時点では、1億6500万ドルの調達で評価額は10億ドルを超え、同年12月には5億ドルの資金調達を通じて90億ドルに達した。今回の調達が成功すれば、140億ドルまで上昇する見込みであり、米国テックスタートアップの中でも注目度は極めて高い。

投資家にはNvidiaやAmazon創業者ジェフ・ベゾスのBezos Expeditions、ソフトバンク・ビジョン・ファンド、Databricks Venturesなど名だたる企業が名を連ねており、技術力と将来性への期待の高さが伺える。

法的課題とコンテンツの扱い

一方で、Perplexity AIは著作権問題を巡って複数のメディア企業と法的対立に直面している。2024年にはDow Jones、New York Post、The New York Timesが同社に対して、robots.txtを無視してコンテンツを収集しているとして訴訟または警告を発した。

これに対し、Perplexityは収益の一部を出版社と共有する仕組みを検討・導入し、AIとコンテンツの共存に向けた新たなビジネスモデルの構築を模索している。

Googleの牙城に挑む戦略

Perplexity AIは、検索エンジン分野で長年トップに君臨してきたGoogleに対し、出典付きのAI検索という新しい体験で対抗しようとしている。AppleがSafariにPerplexityの検索機能を統合するとの報道もあり、大手プラットフォーマーとの提携が今後の飛躍を後押しする可能性が高い。

さらに、独自のウェブブラウザ「Comet」の開発も進めており、ChromeやSafariに代わる次世代ブラウザとして注目を集めている。

補足情報:Perplexity AIの創業背景と構成

Perplexity AIの共同創業者には、OpenAI出身のアラヴィンド・スリニヴァス氏、MetaでAI研究を行っていたデニス・ヤラッツ氏、Quoraからのジョニー・ホー氏、Databricksの共同創業者アンディ・コンウィンスキー氏など、業界の実力者が揃っている。

こうした技術力と経験を背景に、わずか数年でPerplexityはAI検索という新しい分野を切り開き、多くの支持を集めている。2024年時点で月間アクティブユーザーは1,000万人を突破しており、今後の成長がさらに期待されている。