
AIインフラの超大型計画、英国にも波及か
ソフトバンクグループ(SBG)、オープンAI、オラクルが出資する米国発のAIインフラプロジェクト「スターゲート」が、英国をはじめとする欧州への投資を検討していることが分かった。
この情報は2025年4月17日、英フィナンシャル・タイムズ(FT)報道に基づき、ロイターが伝えた。
「スターゲート」は、米国において最大5,000億ドル(約78兆円)の投資を見込む国家規模のAIプロジェクトであり、その国際展開が注目されている。
英国がAIインフラの「本命」候補に
英国のキア・スターマー首相は、同国を「AI超大国」とする構想を掲げており、AIデータセンターの建設許可プロセスの迅速化や電力供給の強化を進めている。
これにより「スターゲート」プロジェクト関係者の関心を集め、英国が投資先の有力候補として浮上した。
他にもドイツやフランスなど、欧州主要国が候補地として名前を挙げられている。
「スターゲート」とは? 巨大AI計画の全貌
「スターゲート」は2025年1月、ドナルド・トランプ米大統領により発表された国家規模のAI投資プロジェクトである。
OpenAIのサム・アルトマンCEO、SBGの孫正義会長、オラクルのラリー・エリソン会長が共同出席し、その野心的な構想を明らかにした。
今後4年間で最大5,000億ドルの投資を行い、AIデータセンター、クラウドインフラ、半導体供給網などを整備する方針だ。
参画企業の役割分担と技術支援
このプロジェクトでは、OpenAIがAIモデル開発の主導、SBGが財務支援、オラクルがクラウドインフラの提供を担当。
さらに、Arm、NVIDIA、Microsoftなども技術パートナーとして参加し、高性能半導体や分散型AIインフラの実現を支援している。
欧州展開の意義と地政学的影響
OpenAIのアルトマンCEOは、欧州版「スターゲート」の展開に意欲を示しており、英国を皮切りに欧州全体でのAIインフラ構築が現実味を帯びてきている。
米国主導のAI戦略に続く形で、欧州がいかにしてAI競争に参画するかが、今後の焦点となる。
「スターゲート」は、単なる企業投資ではなく、経済・技術・安全保障を包括する新たな国際秩序構築の試金石と見られている。