【速報】アマゾン、人型ロボットで配達業務自動化へ試験開始

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アマゾンが配達用人型ロボットを試験準備

米アマゾン・ドット・コムは、配達業務の自動化を視野に入れた人型ロボットの試験運用を準備している。
カリフォルニア州サンフランシスコに建設中の屋内施設「ヒューマノイド・パーク」にて、今後ロボットの実地テストを実施する予定だ。
関係者の話として、米ニュースサイト「ジ・インフォメーション」が6月4日に報じた。
ロイターはこの報道内容を独自に確認していない。

ロボット開発の現状と技術概要

アマゾンは現在、AIを搭載した人型ロボット用のソフトウェアを開発中であり、初期の試験段階では他社製ハードウェアを利用する見込みだ。
使用中のロボットには、中国Unitree Robotics社の「G1」が含まれており、これは23の関節モーターと力覚センサーを搭載した最先端モデルである。
このロボットは階段の昇降、障害物の回避、荷物の運搬が可能で、価格は約16,000ドルとされている。

AIと倉庫・配達業務への適用

アマゾンは4日に行った関連発表の中で、AIの導入が倉庫の在庫管理から配達に至る業務全体にどのような効率化をもたらすかを説明した。
倉庫内ロボット、自動ルーティング配達員、リアルタイム物流管理など、AIによって荷物の迅速な配達が実現可能になるとしている。

Scoutの教訓と新アプローチ

アマゾンは過去に、歩道を走行する自律型配達ロボット「Scout」の開発を行っていたが、2022年にプロジェクトを中止している。
Scoutでは障害物処理や現場での柔軟性が課題となったが、その失敗から得られた知見を新たな人型ロボットの設計に活かしている。
今回の試みでは、より高度な環境対応能力と汎用性を重視している点が特徴だ。

業界の競争と今後の展望

配達や倉庫業務に特化した人型ロボット開発には、Agility Roboticsの「Digit」やTeslaの「Optimus」など他社も参入しており、業界の競争は激化している。
ただし、商業的に持続可能な形で人型ロボットを導入するには、技術面とコスト面の両方で課題が残されている。
そのため、今回のアマゾンの試験運用は業界全体の未来を占う重要な一歩として注目されている。