【2025/3/14速報】EUの「AIギガファクトリー」計画に疑問の声、資源確保と実効性が課題

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EUがAI産業強化に向け200億ユーロを投資

欧州連合(EU)は、AI分野での競争力を高めるため、総額200億ユーロ(約3兆2000億円)の基金を創設し、域内4カ所に「AIギガファクトリー」を建設する計画を発表した。
しかし、この計画に対し、資源確保や実効性に疑問の声が上がっている。

欧州のAI産業強化を目指す「インベストAI」計画

AIギガファクトリー構想は、EUの新たなAI推進プロジェクト「インベストAI」の一環として打ち出された。
これは、米国の5000億ドル規模のAIインフラ投資計画「スターゲート」に対抗する狙いがある。
ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は、「欧州をAIの中心地とするため、科学者や企業が最先端の大規模モデルを開発できる環境を整える」と述べている。

計画に対する懸念、資源確保の課題

しかし、AIギガファクトリーの実現には多くの課題が指摘されている。
欧州にはGoogleやAmazonのような大規模クラウドサービス企業がなく、大量のAIモデルを運用する体制が整っていない。
また、AI開発には大量の半導体が必要だが、エヌビディア製の高性能GPUは供給不足にあり、調達が困難だとみられている。

欧州の技術政策、過去の実績と今後の展望

EUはこれまでも技術分野での自立を目指してさまざまな政策を打ち出してきた。
2023年には「欧州半導体法」を制定し、半導体製造を促進する政策を展開したが、最先端半導体メーカーの誘致には成功せず、目標達成には至っていない。
今回のAIギガファクトリー計画も、同様の課題に直面する可能性が指摘されている。

計画の今後、欧州のAI戦略はどうなるか

この計画は欧州の産業力強化を目的とした「ドラギレポート」に基づいており、大胆な投資と産業政策が求められている。
しかし、AI分野では計算能力だけでなく、実際に活用するソフトウェアやサービスの発展も不可欠だ。
今後、欧州がAI市場で競争力を確保できるのか、注目が集まっている。