【2025/4/2速報】世界のトップ企業、時価総額が3年ぶりの大幅下落──トランプ政権の関税政策に市場が動揺

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主要企業の時価総額が急減、投資家心理に影響

2025年の第1四半期、世界の主要テクノロジー企業を中心に、時価総額が急激に減少しました。
この現象は2022年6月以来、約3年ぶりとなる大幅な下落であり、米国を中心に高まる経済不安を反映しています。
ドナルド・トランプ大統領による一連の関税政策が市場の混乱を招き、投資家心理に大きな影響を与えたと見られます。
LSEGのデータによると、上位10社の時価総額は前四半期比で13.2%減少し、18兆6400億ドルに落ち込みました。

テスラ、ブロードコム、エヌビディアなどが大打撃

企業別に見ると、テスラは35.7%の減少で8335億9000万ドル、ブロードコムは27.56%減の7872億5000万ドル、エヌビディアも19.59%の下落で2兆6400億ドルとなっています。
これらの企業はAIや半導体分野の成長を背景に近年評価が高まっていましたが、関税によるコスト上昇や世界経済の減速懸念が売り材料となりました。

ナスダックも急落、テック株が市場全体を牽引

ナスダック総合指数は四半期で10.42%下落し、これも2022年6月以来の大幅な下げ幅です。
特にテクノロジー株の多くが割高感を警戒されており、過熱したAIブームの揺り戻しが起きているとの見方もあります。

トランプ政権の関税政策とは

2025年初頭より、ドナルド・トランプ米大統領はアルミニウムや鉄鋼、自動車、さらには中国から輸入される全製品に対し高率の関税を課しました。
この措置は米国内産業の保護と貿易赤字の是正を目的としたものでしたが、輸入コストの増大と供給網の混乱を招き、企業の収益見通しを不透明にしています。
トランプ氏はさらに、相互関税の導入を示唆し、貿易不均衡が大きい国だけでなく、全ての国に新たな関税を課す可能性を示唆しました。

ゴールドマン・サックス、利益成長予測を引き下げ

ゴールドマン・サックスは、関税の影響や経済成長の鈍化、インフレの上昇などを理由に、S&P500企業の1株当たり利益成長率の予測を従来の7%から3%に下方修正しました。
同社は「成長の鈍化と不確実性の高まりは、株式のリスクプレミアムの上昇とバリュエーション倍率の低下を正当化する」との見解を示しています。

補足:関税政策の経済学的背景

関税は、自国産業を保護する目的で用いられる経済政策ですが、輸入品の価格を押し上げ、消費者物価に影響を与える側面もあります。
また、関税によって一時的に貿易収支が改善される可能性があるものの、長期的には国際競争力の低下や報復関税の連鎖につながる危険性があります。
日本科学技術振興機構(JST)の報告によると、関税の導入はほとんどの場合、経済成長の鈍化を招くとの分析もなされています。