【2025/3/29速報】イーロン・マスクのAI企業xAI、旧ツイッター「X」を330億ドルで買収 生成AI強化へ

イーロン・マスク氏が設立したAI企業「xAI」は、マスク氏が所有するソーシャルメディア企業「X」(旧ツイッター)を330億ドル(約5兆円)で買収したと発表した。
この買収により、xAIは独自開発する生成AI「Grok」の強化を進めるとともに、Xの巨大なユーザーデータとインフラを活用し、AI開発の加速を目指す。
xAIとXは今後も連携を続けつつ、別法人として運営される。

xAIとは? イーロン・マスクのAIビジョン

xAIは、2023年にイーロン・マスク氏が設立した人工知能研究企業で、「宇宙の真実を理解すること」を目標に掲げている。
OpenAIやGoogle DeepMind、Teslaなどから研究者を引き抜き、生成AIや自然言語処理(NLP)などの先端分野で研究を展開している。
xAIはAIの安全性と透明性を重視しており、閉鎖的になりつつあるAI研究に一石を投じる姿勢を取っている。

Grokとは? ChatGPTのライバル登場

xAIが開発するGrokは、OpenAIのChatGPTと競合するAIチャットボットである。
2023年11月にベータ版が登場し、X(旧ツイッター)上で利用可能となった。
マスク氏がAIの「オープン性」に疑問を持ち、OpenAIから距離を置いた経緯もあり、Grokはより開かれた形での開発が行われている。
ユーザーの質問に対して高度な理解と皮肉混じりの回答が特徴とされる。

買収の背景と狙い

xAIがXを買収する狙いは、同プラットフォームが持つ数億人分のユーザーデータと通信インフラを活用し、Grokをはじめとした生成AIの訓練精度を高めることにある。
AIモデルの精度は訓練に用いるデータ量と質に依存しており、Xの投稿データは自然な言語データの宝庫といえる。
今後はX上でのAI統合が進み、広告、検索、ユーザーサポートなど様々な分野に応用が広がる見通し。

マスク氏とOpenAIの確執

イーロン・マスク氏は元々、2015年にOpenAIの共同創業者としてAI研究に関わっていたが、営利化の方向性を巡って2018年に離脱した。
その後、OpenAIはMicrosoftとの提携を進め、大規模な投資を受ける一方、マスク氏はAIのリスクや倫理について警鐘を鳴らしてきた。
xAIの設立と今回の買収は、マスク氏が自身のAIビジョンを実現するための本格的な布石とみられている。

ソーシャルメディアとAIの融合が加速

今回の買収は、AIとソーシャルメディアの融合を象徴する動きであり、今後のインターネットの在り方にも影響を与える可能性がある。
ユーザーの投稿内容や行動データをAIが解析することで、個別最適化されたコンテンツ提供や新たな広告モデルの構築が可能になる。
ただし、プライバシー保護やAIの倫理的利用については今後も議論が必要だ。