【2025/3/24速報】OpenAIとMeta、インドAI市場参入へ リライアンスと戦略提携を協議中

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OpenAIとMeta、リライアンスと提携協議 インドAI市場での布石か

米国のAI大手OpenAIとSNS企業Meta(旧Facebook)が、インドの巨大複合企業リライアンス・インダストリーズとそれぞれ個別に提携交渉を進めていることが明らかになった。
テクノロジーメディア「The Information」の報道によると、両社はリライアンス傘下の通信企業リライアンス・ジオと連携し、インド市場で自社のAIモデルを展開する構想を描いている。
インドは急成長するAI市場の一つであり、14億人以上の人口を擁する同国への進出は、両社にとって極めて戦略的な意味を持つ。

OpenAI、ChatGPTの低価格展開を検討中 ローカルホスティングも視野

OpenAIは、リライアンス・ジオを通じてチャットボット「ChatGPT」をインドに展開する計画を協議中である。
現在、ChatGPT Plusは月額20ドルで提供されているが、インドなど価格に敏感な市場向けに数ドルへの引き下げも社内で検討されている。
また、OpenAIのAIモデルをリライアンスのインフラ上でホスティングする案も浮上しており、インド国内のデータ保持要件に対応する狙いがある。
これは、インド政府が推進する「データローカライゼーション政策」にも合致しており、現地当局との関係強化にもつながる。

Meta、LLaMAモデルの現地展開でAI広告戦略を強化

Metaは、独自開発の大規模言語モデル「LLaMA」シリーズのインド展開に向けて、リライアンスとの連携を模索している。
インドはMetaにとって最大のユーザーベースを持つ重要市場であり、AIを活用したパーソナライズ広告やコンテンツ最適化により、収益源である広告事業の強化を狙っている。
また、MetaもOpenAI同様に、グジャラート州ジャムナガルで建設中の巨大データセンターをAIモデルの運用拠点として活用する構想を持つ。

リライアンスの巨大インフラが鍵 世界最大級のデータセンターも活用か

提携先となるリライアンス・インダストリーズは、石油から通信、リテール、AIインフラまで幅広い事業を手がけるインド最大の複合企業である。
中でも通信子会社のリライアンス・ジオは、国内最大級のモバイルユーザーベースを持ち、テクノロジー企業との連携に積極的だ。
同社はグジャラート州ジャムナガルに、総電力容量3ギガワットの世界最大規模のデータセンター建設を進めており、OpenAIおよびMetaのAIモデル運用にも使われる見込みだ。
この拠点では現地データ保持や低レイテンシでのサービス提供が可能となり、AIビジネス展開の土台を築く重要インフラになる。

背景:インドがAI新興拠点に 政府と企業の連携が加速

インド政府はAI分野において低コストのオープンプラットフォームを整備する国家戦略を掲げており、国外企業との連携を歓迎する姿勢を取っている。
OpenAIのCEOサム・アルトマン氏は昨年、インドのIT担当大臣と会談し、AI政策や市場展望について意見交換を行った。
また、米エヌビディアがリライアンスやタタ・グループとAIインフラ構築で提携しており、インド全体でAI関連の国家規模の取り組みが加速している。
こうした中で、OpenAIやMetaが本格進出を狙うことは自然な流れといえる。

今後の展望:グローバルAI競争の主戦場にインドが浮上

世界のAI競争は、技術力だけでなく市場の支配権を巡る戦いへと移行している。
OpenAIとMetaがインド市場に本腰を入れ始めたことで、米中を中心としたAI覇権争いに新たな軸が加わる可能性が高い。
インドのローカル大手であるリライアンスと海外のテックジャイアントとの連携は、AIの地政学的影響力にも直結する重要な動きだ。
今後の提携正式発表や、サービス開始のタイミングに注目が集まる。