メタ、最新版AIモデル「Llama 4」を発表
米メタ・プラットフォームズは2025年4月5日、最新のAI言語モデル「Llama(ラマ)4」を正式リリースした。
今回の発表では、2種類のモデル「スカウト(Scout)」と「マーベリック(Maverick)」が同時に公開され、それぞれ異なる用途に特化した性能を備えている。
メタはこれらのモデルを通じて、企業向けのAI活用支援から、一般消費者向けアプリケーションへの展開まで、幅広い市場への適用を目指している。
同社の広報担当者は「これらの新モデルによって、より実用的かつ創造的な体験をユーザーに提供できる」と語っている。
ScoutとMaverick:それぞれの特徴と用途
「Scout」は、情報検索やカスタマーサポートなど、ユーザーからの質問に迅速・正確に応答する能力に優れている。
10万トークンのコンテキストウィンドウを持ち、GoogleのGemma 3などの競合モデルを上回る性能が確認されている。
また、単一のNVIDIA H100 GPU上で動作可能な軽量設計で、幅広いデバイスでの活用も期待されている。
一方、「Maverick」は創造的な文章生成やコンテンツ制作に特化したモデルだ。
小説、記事、広告コピーなどの執筆支援や、プログラミングコード生成など多岐にわたる用途に対応する。
性能面ではOpenAIのGPT-4oやDeepSeek-V3に匹敵するとされ、生成AIの先端を行く存在となっている。
Llamaシリーズの背景とMetaのAI戦略
Llamaシリーズは、Meta(旧Facebook)が長年にわたって開発を続けてきた大規模言語モデル群だ。
2013年に設立されたMetaのAI研究部門「FAIR(Facebook AI Research)」は、Yann LeCun氏を中心に深層学習を活用した技術革新を牽引。
社名変更後は「Meta AI」として再編され、Llamaシリーズを通じてオープンソースAIの普及に注力している。
Mark Zuckerberg CEOは、「オープンソースAIは世界の開発者に力を与え、より健全なAIエコシステムを築く鍵である」と述べている。
この方針の下、Llamaは初期から無料で提供されており、研究者や企業による活用・改良が活発に行われている。
Metaの巨額投資とAIの未来
MetaはAI開発への投資を加速しており、2025年には最大650億ドルの予算をAIインフラに投じると発表している。
この投資には、高性能なGPUの確保、大規模データセンターの建設、研究開発チームの拡充が含まれる。
AI分野ではGoogle、OpenAI、Anthropicなど競合がひしめくが、Metaはオープン性と実用性を強みに独自の立ち位置を築こうとしている。
Llama 4の登場により、より多くの企業や開発者がAI活用に参入するきっかけとなる可能性が高い。