【速報】オープンAI、PBC移行でIPOの可能性浮上 CFOがダブリンで発言

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オープンAIの組織再編でIPO視野に

米オープンAIのサラ・フライヤー最高財務責任者(CFO)は、5月28日にアイルランド・ダブリンで開催された「テック・サミット」において、新たな組織体制の下での新規株式公開(IPO)実施の可能性に言及した。
フライヤー氏は、「公益目的会社(PBC)への移行により、IPOは可能な選択肢の一つとなる」と発言し、将来的な上場に含みを持たせた。

ただし、実際の上場には市場環境と社内の準備が整っている必要があるとし、「我々が望めばIPOは可能になるが、今すぐに実施するという意味ではない」とも述べ、慎重な姿勢を見せた。

非営利性と収益性の両立を目指す新体制

オープンAIは今月、営利企業主導の経営方針を撤回し、非営利法人が経営権を維持する体制へと変更した。
具体的には、営利部門を公益目的会社(PBC)に転換することで、AI開発における社会的責任と商業的成長の両立を目指す。

PBCは米国で認められた法人形態の一つで、株主利益の最大化だけでなく、社会的な目的の追求も法的義務として求められる。
企業の成長に伴い倫理的なAI活用が問われる中、OpenAIはこのモデルを通じて長期的な信頼と責任あるイノベーションを模索している。

IPOに向けた課題とフライヤーCFOの見解

フライヤーCFOは、IPOの前提条件として「ある程度の予測可能性が必要」としつつも、市場が高成長企業に対して一定の不確実性を許容する場合があると述べた。
ただし、「市場がそれを歓迎するわけではない」として、透明性と安定性の重要性を強調した。

同氏はまた、AI検索市場が急速に成長している現状に触れ、オープンAIがこの分野においてもリーダーシップを取る意欲を明確にした。

OpenAIの資金調達と今後の展望

PBCへの移行に伴い、OpenAIは「利益上限付きモデル(capped-profit)」を廃止し、従業員や投資家に株式を提供可能な一般的資本構造を構築する方針だ。
この変更により、ソフトバンクなど大口投資家からの資金調達が円滑に進むと見込まれている。

一方で、BloombergやWall Street Journalによると、組織再編の調整が最大200億ドルの調達に影響を及ぼす可能性があるとの報道も出ており、今後の動向に注目が集まっている。
OpenAIは今後、10ギガワット規模のAI専用データセンターの建設にも取り組む予定で、約5000億ドルの投資が想定されている。