【速報】OpenAI、Apple元幹部ジョナサン・アイブ氏の企業を約1兆円で買収 AI端末開発を本格化

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OpenAIがジョナサン・アイブ氏のデザイン会社を買収

米OpenAIは2025年5月21日、AppleでiPhoneなどのデザインを手掛けたジョナサン・アイブ氏が設立した企業「ioプロダクツ」を65億ドル(約1兆円)で買収すると発表した。
この買収により、同氏はOpenAIのクリエーティブ責任者に就任し、同社が取り組む生成AI搭載端末の開発をリードする。

ChatGPTと融合した「次世代デバイス」構想

アイブ氏の企業は、2年前からOpenAIと共同でAI端末の開発を進めており、デザインと対話型AI技術を融合した新しい体験を提供することが目指されている。
OpenAIのサム・アルトマンCEOとアイブ氏は、開発中の端末について「これまで世界が見た中で最もクールな技術の一部」と述べており、期待の高さが伺える。

買収の背景と狙い

関係筋によると、本買収は全額株式によるもので、OpenAIが2023年時点でioプロダクツの株式の23%を保有していたことも明らかになっている。
OpenAIはこの買収により、AppleのiOSやGoogleのAndroidといった既存のモバイルプラットフォームに依存せず、独自のハードウェアエコシステム構築を目指すとみられる。

業界へのインパクトと市場の反応

この発表を受け、Appleの株価は2%以上下落した。
DAデビッドソンのアナリスト、ギル・ルリア氏は「OpenAIは製品販売においてAppleやGoogleのプラットフォームに依存しない戦略を模索しており、今回の買収はその一環だ」とコメントしている。

補足情報:ジョナサン・アイブ氏とLoveFromの歩み

ジョナサン・アイブ氏は、Appleの象徴的な製品群であるiMac、iPod、iPhone、iPadなどのデザインを手掛けた功績で知られる。
2019年にAppleを退社後、デザイン会社「LoveFrom」を設立し、Appleのデザイン哲学を継承しつつ、より幅広い業界へのアプローチを進めてきた。
同社はAppleやエアバスなどとの提携を行いながら活動してきたが、今回のOpenAIとの連携により、AIテクノロジーとの融合という新たな挑戦へと踏み出している。

補足情報:OpenAIのハードウェア戦略

OpenAIは、ChatGPTやDALL·EなどのAIソフトウェアで急成長を遂げたが、近年はAI体験をユーザーの手元に届けるための専用端末開発にも注力している。
Humaneの「AI Pin」やRabbitの「r1」など、AIデバイス分野への関心は高まりつつあるが、バッテリー寿命や機能性などの課題が残されている。
OpenAIは、デザインと技術の両面で高い完成度を実現することで、これまでのAIデバイスに対する不満を解消する可能性がある。

今後の展望と業界再編の可能性

アイブ氏との協業により、OpenAIが開発するAI端末は従来のスマートフォンとは異なるコンセプトで展開されるとみられる。
この動きは、ソフトウェア企業がハードウェア開発へ進出する象徴的な事例であり、AppleやGoogleといった既存の大手企業との競争構図にも変化をもたらす可能性がある。