【2025/5/8速報】米AI業界、電力と政府データ開放を要請 上院公聴会で4社CEOが証言

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米国議会で8日に開かれた上院公聴会で、マイクロソフト、OpenAI、AMD、CoreWeaveのトップが証言し、AIの急速な進展に対応するため、老朽化した米国の電力インフラの整備促進や、政府保有データの活用拡大を要請した。
彼らはAI競争における国際的な主導権を確保するために、政策・資源面での支援が不可欠であると訴えた。

マイクロソフト社:ブラッド・スミス氏の証言

マイクロソフトのブラッド・スミス社長は、AIや製造業回帰によって増大する米国の電力需要に対し、50年前に設計された電力インフラが障害となっていると指摘。
また、連邦政府が保有する高品質で未活用なデータセットをAI訓練に活用することの重要性も強調し、米国のAI競争力を高める政策対応を求めた。

OpenAI社:サム・アルトマン氏の証言

OpenAIのサム・アルトマンCEOは、今後さらに増加が見込まれるユーザーの高度なAI利用に対応するには、スーパーコンピューターや電力などのリソースが不可欠であると述べた。
また、AIの発展に伴う社会的影響を踏まえ、透明性のある公共支援と訓練インフラの整備を訴えた。

AMD社:リサ・スー氏の証言

AMDのリサ・スーCEOは、AI半導体の安定供給には国内生産の支援が不可欠である一方、過度な輸出規制は企業の国際競争力を低下させると警告。
イノベーションと国家安全保障のバランスを重視し、政府との協力によるサプライチェーン整備と人材育成の必要性を強調した。

CoreWeave社:マイケル・イントレーター氏の証言

CoreWeaveのマイケル・イントレーターCEOは、AI特化型クラウドの拡大において、発電や送電設備の承認手続きの遅さが深刻な障壁となっていると述べた。
「技術革新に政治・行政が追いついていない」として、規制緩和と国家的支援の必要性を強く訴えた。

補足:AIとインフラ、データをめぐる米中競争の文脈

米国がAI分野で優位性を維持するためには、国家レベルでの長期戦略が不可欠とされる。
とりわけ中国は、膨大な公共データへのアクセス、電力供給網の集中的整備、国家支援のもとAI開発を加速しており、米国企業はこうした体制に対抗するため、政府との連携強化を求めている。
今回の公聴会は、企業側のニーズと政府の支援策を接続する重要なステップと位置づけられている。