エヌビディア、GTC 2025で最新AI半導体を発表
エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、年次開発者会議「GTC 2025」において、新型AI向け半導体「ブラックウェル・ウルトラ(Blackwell Ultra)」を発表した。
現行のブラックウェルB200を超える性能を持ち、2025年後半の出荷が予定されている。
ブラックウェル・ウルトラの特長
「ブラックウェル・ウルトラ」は、AIモデルの処理能力を飛躍的に向上させる最新GPUで、以下の特徴を持つ。
- 高性能計算能力:FP4精度で15ペタフロップスの演算性能を実現。現行のブラックウェルB200と比較して50%の性能向上。
- 大容量メモリ:288GBのHBM3eメモリを搭載し、大規模なAIモデルの処理に対応。
- 高速推論:AI推論処理のスループットが向上し、リアルタイムに近い応答性を提供。
今後のロードマップ
エヌビディアは、2026年以降も新アーキテクチャを導入し、さらなる性能向上を目指している。
- 2026年:「ヴェラ・ルービン(Vera Rubin)」アーキテクチャ – 50ペタフロップスのFP4性能と288GBのHBM4メモリを搭載。88コアのカスタムCPUを統合し、データ転送速度を向上。
- 2027年:「ルービン・ウルトラ(Rubin Ultra)」 – 100ペタフロップスのFP4性能、1テラバイトのHBM4eメモリを搭載し、超大規模AIモデルに対応。
- 2028年:「ファインマン(Feynman)」アーキテクチャ – さらなる性能向上を目指し、次世代のAIシステムに適応。
ブラックウェルとヴェラ・ルービン
「ブラックウェル・ウルトラ」に採用されているブラックウェル・アーキテクチャは、2080億個のトランジスタを搭載し、TSMCの4NPプロセスで製造されている。
第2世代のTransformer Engineを備え、大規模言語モデル(LLM)や混合エキスパート(MoE)モデルの推論と学習を加速する。
また、次世代アーキテクチャの「ヴェラ・ルービン」は、アメリカの天文学者ヴェラ・ルービンにちなんで命名された。
彼女は銀河の回転速度を観測し、暗黒物質の存在を示唆したことで知られている。