米アンソロピック、AI自律性の新時代へ
米AI企業アンソロピックは2025年5月22日、最新の対話型AIモデル「Claude Opus 4(クロード・オーパス4)」を発表した。
このモデルは、従来を大幅に上回る長時間の自律的なコンピューター・コーディングを可能にし、AIの自律性と応用力において大きな前進を示した。
同時に、コスト効率を重視した派生モデル「Claude Sonnet 4(クロード・ソネット4)」も併せて公開された。
同社のCPO(最高製品責任者)マイク・クリーガー氏は、「今回の進化はAIの自律行動能力における大きな節目である」と強調している。
クロード・オーパス4の性能とユースケース
Claude Opus 4は、顧客である楽天が実際に7時間以上の連続プログラミングに活用した事例が紹介されており、その長時間運用能力が証明された。
さらに、前モデルの対応時間が45分だったビデオゲーム「ポケットモンスター」を、24時間連続でプレイ可能にする設定も実現された。
新モデルは単なる即答型AIにとどまらず、質問への即応と、時間をかけた推論の両方をこなすハイブリッド思考モデルとなっている。
ウェブ検索機能も備えており、幅広い知識検索や応答に対応可能だ。
Claude Code:開発者向けツールも一般公開
2025年2月に発表された開発者支援ツール「Claude Code」は、現在一般公開されており、ソフトウェア開発の現場でコード生成、デバッグ、リファクタリングといった支援機能を提供している。
これによりAIを活用したプログラミングの自動化がさらに進むと見られている。
補足情報:Anthropic社とClaudeシリーズの進化
アンソロピック(Anthropic)は、2021年にOpenAIの元幹部であるダリオ・アモデイ氏とその妹ダニエラ・アモデイ氏によって設立されたAIスタートアップだ。
「安全で信頼できるAIの構築」を理念とし、AI倫理と透明性を最優先に掲げている。
AmazonやGoogleから巨額の出資を受け、AI業界における注目企業として急成長を遂げている。
Claudeシリーズは2023年3月のClaude 1から始まり、Claude 2(2023年7月)、Claude 2.1(同年11月)、Claude 3(2024年3月)と進化を重ねてきた。
各バージョンで対話性能、推論力、長文処理能力などが強化され、最新のClaude Opus 4では、AIが複雑なタスクを自律的に数時間継続処理できる性能を実現している。