【速報】イーロン・マスク氏、国防総省でAI戦略協議 利益相反の懸念も

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イーロン・マスク氏が再びペンタゴン訪問、xAIと協議

米国防総省は2025年5月21日、実業家イーロン・マスク氏とAI開発企業「xAI」の幹部らと会談を行ったと発表した。
マスク氏の国防総省訪問は今回で2度目。
同省のパーネル報道官によれば、「ヘグセス国防長官は、今朝イーロン・マスク氏およびxAIの他のメンバーと会談した」と述べ、「国防総省は、21世紀の脅威に対処するために、AI業界のリーダーと連携している」と明かした。

マスク氏と国防との関係、複数事業に拡大

マスク氏が率いる「スペースX」および「スターリンク」は、すでに米軍と多数の契約を結んでおり、人工衛星による通信インフラや宇宙輸送技術を提供している。
特にスターリンクは、戦闘地域における通信手段としてウクライナ紛争などでも使用され、国防分野での戦略的価値が高まっている。
また、2023年に設立された「xAI」は、AIを用いた意思決定支援や情報分析の分野で国防省との協力を強めている。

AI技術と安全保障の最前線、xAIの狙い

xAIは、汎用人工知能(AGI)を目指す企業で、「宇宙の本質を理解する」という哲学を掲げている。
同社は、大規模言語モデルの開発や、米政府との共同研究などを進めており、民間主導のAI研究が安全保障とどう交差するかが注目されている。

利益相反の懸念とホワイトハウスの対応

こうした連携の一方で、マスク氏が複数の事業を通じて政府契約に関与していることから、「利益相反」の懸念が浮上している。
特に、同氏が財政支出削減や効率化政策にも関与していることが問題視されており、ホワイトハウスは「利益相反が生じた場合、マスク氏は自発的にその関与を辞退する」との見解を示している。

国防長官ヘグセス氏の狙いと今後の展望

ヘグセス長官は、民間テクノロジー企業との連携を積極的に進めている。
彼は元陸軍将校であり、2024年に国防長官に就任。AI、量子技術、宇宙開発といった次世代技術を国防の中核に据える政策を推進している。
AIを中心とした防衛戦略の一環として、今後も民間セクターとの協議が増える見通しである。