【2025/5/1速報】ファーウェイのAI半導体に警戒強まる 米議会とエヌビディアCEOが懸念共有

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米中AI技術競争が激化、ファーウェイの先端チップに懸念

2025年5月1日、米半導体大手エヌビディアのCEOジェンスン・フアン氏は、米下院外交委員会の議員らと会談し、ファーウェイが開発を進めるAI用半導体について、国家安全保障上の重大な懸念を共有した。
中国企業の半導体開発が米国の技術的優位性を脅かすなか、AIを巡る米中の地政学的緊張が新たな局面を迎えている。

ファーウェイのAIチップ開発にエヌビディアCEOが警鐘

フアン氏は、中国の通信機器大手ファーウェイが米国の制裁を回避しながら先端AI半導体を独自開発している動きを懸念。
米議会との会談では、特にファーウェイ主導の中国企業連合が、AIチップの核心部品である広帯域メモリ(HBM)の国産化を目指している点が議題となった。
これは米国製チップに代わる選択肢を中国が構築しようとする試みであり、エヌビディアにとっては競争と国家安全保障上の脅威を意味する。

エヌビディアの対応と米政府への提言

会談の中で、フアン氏は米政府に対し、ファーウェイへの対抗策として、輸出規制のさらなる強化と同盟国との連携強化を提案した。
議員側もこれに賛同し、技術覇権を守るための立法措置や政策対応を模索している。

補足:AI半導体市場におけるエヌビディアとファーウェイの構図

エヌビディアは、GPUを用いたAI半導体の分野で圧倒的な市場シェアを誇り、ChatGPTやDALL·EなどのAIサービスにもそのチップが活用されている。
一方、ファーウェイは米政府からの制裁によってグローバルな半導体供給網から締め出されながらも、独自開発に成功しつつあり、特に2023年の「Ascend 910B」や最新の「DeepSeek」シリーズによってその存在感を強めている。

HBM(High Bandwidth Memory)は、AIチップの処理能力を飛躍的に高めるための重要技術で、これまで韓国のSKハイニックスや米マイクロンなどが主要供給元とされてきた。
中国国内でのHBM生産体制の構築は、米国にとって「制裁の抜け道」と見なされる可能性が高く、地政学的な緊張の火種となる。

米中の技術競争はAI分野でも熾烈に

今回の会談は、AIという未来技術を巡って米中間の緊張が新たな段階に入っていることを象徴している。
AIは軍事、金融、医療、エネルギーなど多岐にわたる分野で戦略的重要性を持ち、今後も技術主導の安全保障政策が各国に求められていくとみられる。