【DeepSeek】サルでも分かるMixture-of-Experts (MoE)の解説【永久保存版】

コラム

MoE(専門家の組み合わせ)とは?

Mixture of Experts(ミクスチャー・オブ・エキスパーツ)いわゆるMoEとは、AIや機械学習のモデルの一つで、いくつかの専門家(エキスパート)が集まって、それぞれの得意分野で力を発揮する仕組みを指します。

たとえば、算数が得意な先生や理科が得意な先生がいる学校をイメージしてください。

それぞれの先生が、自分の得意な分野の質問に答えることで、全体としてより良い答えを導き出すことができます。
この考え方をAIの仕組みに応用したものがMoEです。

仕組みを簡単に説明すると…

MoEは、大きく2つの役割があります。

  1. ゲート・ネットワーク(選ぶ役割)
    入力された情報を見て、「どの専門家が答えるのが良さそうか」を判断する役割を持ちます。たとえば、「これは動物の話題だから動物専門のエキスパートに任せよう」というふうに選びます。
  2. エキスパート・ネットワーク(答える役割)
    実際に問題を解くネットワークです。エキスパートごとに得意な分野があり、特定の問題に対して回答を提供します。

例を使ったイメージで言うと…

1. 質問:「この画像に写っているのは何ですか?」

  • ゲート・ネットワークが、「これは動物っぽい!」と判断し、動物専門のエキスパートに送ります。

2. 質問:「動物の中でもこれは猫ですか?」

  • 今度は「猫や犬を区別するのが得意なエキスパート」に質問が送られ、最終的な答えを返します。

このように、最適な専門家が選ばれることで、より正確で効率的な答えを導き出せるのです。

MoEのメリット

  • 効率的な学習:問題に応じて必要な専門家だけが動くため、無駄な計算が減ります。
  • 柔軟性:一つのモデルで全てを対応しようとするのではなく、複数の専門家を組み合わせることで、複雑な問題にも対応できます。
  • 学び直しが簡単:専門家ごとに学び直すことができるため、全体を作り直す必要がありません。

MoEは「分担」のお話

たとえば学校の掃除当番で、誰がどの場所を掃除するのか決めるリーダーがいて、教室を掃除する人や廊下を掃除する人がいるとします。
それぞれが自分の場所をきれいにすることで、学校全体がピカピカになりますよね。
Mixture of Expertsは、この「分担して効率的に仕事をする」仕組みをAIで実現したものなんです。

このMoEがDeepSeekで使われていて、ChatGPTのGPT4oを凌駕しているわけです。

今後のDeepSeekに注目ですね。