妻や息子は?イーロン・マスクの生い立ちと性格に迫る【エピソード】

コラム

誰もが知る“世界一の起業家”イーロン・マスク。宇宙開発から電気自動車、AI、SNSの買収に至るまで、数々の領域で世界を驚かせてきた彼の原動力はどこにあるのか──。

本記事では、彼の幼少期から現在に至るまでの人生をたどり、その複雑な家庭環境、孤独な思春期、壮絶な起業家人生、そして家族への価値観に至るまで、エピソードを交えて深掘りしていきます。

“型破りな天才”の知られざる内面に迫ります。

1. 幼少期:南アフリカでの少年時代

イーロン・マスクは1971年、南アフリカ共和国プレトリアにて誕生しました。父エロール・マスクはエンジニアであり起業家、不動産投資家としても活動しており、一時はエメラルド鉱山に関わるなどして莫大な収入を得たとされています。母メイ・マスクはモデル兼栄養士として働きながら、3人の子どもを育て上げました。

マスク家は外見上は裕福な家庭に見えましたが、実際には精神的に不安定な家庭でした。1979年に両親は離婚し、イーロンは当初母メイのもとで暮らしていましたが、後に「父を助けたい」という想いから父・エロールとの同居を選びます。しかし、この決断についてイーロンは「人生最悪の選択だった」と後年語っています。

2. 家庭内の葛藤と父親との関係

エロール・マスクは知的で技術的才能に恵まれていたものの、性格は非常に支配的かつ操作的だったとされます。イーロンは2017年のRolling Stone誌のインタビューで「父は本当に最悪の人間だった」「悪事を練ることに長けていた」と語っています。

エピソードとして、イーロンが少年時代に父親の勧めで一人でキャンプに出され、極度の孤独と恐怖を体験した話があります。また、義理の娘との間に子どもをもうけたというスキャンダルも、イーロンを含む家族にとって大きな衝撃となり、家族関係は完全に断絶されました。

エロールは後年、自身の名前を冠した仮想通貨プロジェクト「Musk It」を立ち上げましたが、イーロンはこの活動には一切関与していません。

3. 思春期:孤独と知識への没頭

イーロンは非常に内向的で、友人もほとんどおらず、学校では激しいいじめを受けていました。特に11歳のとき、階段から突き落とされて顔面を強打し、数日間入院する大怪我を負っています。この出来事はトラウマとなり、ますます人との接触を避けるようになります。

その代わりに図書館にこもり、1日10時間以上読書に没頭。SF小説では『銀河ヒッチハイク・ガイド』が特に影響を与えたと語っており、「人生の意味は42」というジョークも好んで引用します。10歳でプログラミングを学び始め、12歳で開発したゲーム「Blastar」をPC雑誌に投稿し、500ドルで売却。これが彼の初のビジネス体験でした。

4. 青年期:北米での挑戦と学び

18歳で南アフリカを離れ、カナダのクイーンズ大学に入学。その後、ペンシルベニア大学に編入し、物理学と経済学の学士号を取得しました。

大学時代には家賃を浮かせるため、週末限定で自宅をナイトクラブとして開放し、入場料で生活費を稼ぐというエピソードがあります。さらに、インターンシップではPinnacle Research Instituteでエネルギー蓄電技術を学び、超高密度コンデンサーの研究にも携わりました。

1995年、スタンフォード大学大学院に進学するも、わずか2日で中退。インターネットビジネスの可能性に賭け、弟のキンバルと共にZip2を創業。最初はオフィスすらなく、夜はオフィスの床で寝泊まりし、シャワーは近所のYMCAを使っていたと言います。

5. 成人期:常識を打ち破る起業家精神

Zip2は新聞社向けのオンラインコンテンツ配信サービスとして急成長し、1999年にコンパックにより約3億ドルで買収。イーロンはこの取引で2200万ドルを手にします。

その後、オンライン銀行X.comを立ち上げ、PayPalとして再編、2002年にeBayに15億ドルで売却。その後、

  • SpaceX(2002年設立):最初の3回のロケット打ち上げは失敗。4回目でようやく成功し、NASAと契約。
  • Tesla(2004年参画):初期は赤字続きで、モデルS発売前は破産寸前まで追い込まれる。マスクは自身の全財産を投じて存続を支えた。
  • 2018年には「資金調達の目途は立っている」とツイートし、株式市場で波紋を呼ぶ騒動に発展(後にSECと和解)。

6. 生涯にわたる性格とリーダーシップの本質

イーロンは強烈な集中力と直感的な判断力を併せ持ち、部下に対しては非常に厳しい要求をすることで知られています。ある社員は「彼の下で働くのは地獄だが、成長できる」と述べています。

また、週80〜100時間働くことを平然とこなし、自らエンジニアリングに深く関与。実際にモデル3開発時には数週間テスラ工場の床で寝泊まりしていたことが報じられています。

7. 家族観と子どもたちへの思い

イーロン・マスクはこれまで複数回の結婚歴と交際歴があり、3人の女性との間に12人の子どもをもうけています。

  • 最初の妻:ジャスティン・ウィルソン(作家)
    • 2000年に結婚、2008年に離婚。
    • 長男ネバダは生後10週で亡くなり、その後、体外受精で双子(グリフィン、ヴィヴィアン)と三つ子(カイ、サクソン、ダミアン)をもうけた。
  • 二番目の妻:タルラ・ライリー(女優)
    • 2010年に結婚し、2012年に一度離婚。
    • 2013年に再婚したが、2016年に最終的に離婚。
  • 恋人:グライムス(本名:クレア・バウチャー、ミュージシャン)
    • 2020年に第1子「X Æ A-Xii(エックス・アシュ・エイ・トゥエルブ)」を出産。
    • 2021年に代理母出産で第2子「Exa Dark Sideræl Musk(通称Y)」が誕生。
    • 2023年に第3子が誕生したと報じられている。
  • 恋人:シヴォン・ジリス(Neuralink幹部)
    • 2021年に双子が誕生、さらに2024年に3人目の子どもが誕生したとされている。

出生率の低下を「文明の最大の危機」と考えています。

  • 最初の妻ジャスティンとの間に6人(うち1人は乳児期に死亡)
  • アーティストのグライムスとの間に3人
  • Neuralinkの幹部シヴォン・ジリスとの間に3人(うち1人は2024年に誕生)

長女ヴィヴィアンは2022年に性別適合手術を受け、父との関係を断絶。対照的に他の子どもたちとは良好な関係を築こうとしているようです。

また、テキサス州に「Snailbrook」と名付けた自社都市の建設を進めており、家族と社員が共に生活できる理想郷を目指しています。

8. まとめ

イーロン・マスクという人物を形作ったのは、幼少期の孤独、父親との複雑な関係、そして逃げ場としての知識への没頭でした。それらがやがて革新的な挑戦への原動力となり、数々の常識を打ち破る行動へと結びついています。

彼の生き方は、現代において「逆境を跳ね返し、未来を創造する」という生き方の象徴とも言える存在です。